Program for EU-Japanology Education and Research(PEJER)
メンバー紹介
 
研究紹介
 
  広島修道高校卒業後、狂言論の『わらんべ草研究』を執筆された米倉利昭先生の勧めで国文学研究を志す。本学入学以後、伊藤正義先生に師事、能楽(能と狂言)に興味を深めた。94年に論文集『狂言史の基礎的研究』(和泉書院)を出版。『天理本狂言六義』(共著・三弥井書店、94~5年)の注釈、関西大学影印叢書『勧進能并狂言尽番組』(95年)『能面図』(96年)の編集を担当。最近の成果は「大蔵弥右衛門家蔵『狂言印可勘状』」(03年・『能と狂言』・能楽学会)「狂言〈通円〉をめぐって」(06年・『説話論集』15・清文堂)など。現在のテーマは大蔵流の総合的研究と新蔵生田文庫本の整理。能楽学会設立に参画。06年から始まった「関大笑い講」の企画にも携わる。
 
 
 
講義内容
 
 日本の代表的な古典芸能「能楽」を中心として扱う。キーワードは「音楽」と「笑い」である。能楽の源流は「散楽」で、正倉院弾弓図に現在のサーカスに近い種々雑多な芸能として描かれている。しかるに最近のシルクロード圏の研究者たちのシンポジウムで散楽の「楽」すなわち「音楽」をもっと考えるべきだとの見解が示された。一方、笑いの研究は、脳科学・遺伝学・哲学等々文理の分野を超え英知が結集され始めた。「狂言」は、その中で注目されている。
 
 
 
メッセージ
 
 能楽(能と狂言)は演劇です。名優の演技は、ことばの壁を超えて見る人の心に響きます。音楽とは紀元前成立の『周礼』に人間の人格向上にとって大事なものであると説かれています。舞台で使われる仮面(能面)の魅力も語りたいものです。「狂言」は笑い(ユーモア)の研究で最近特に注目されています。文化系を超えて、遺伝学や脳科学といった最先端の科学者も手がけています。「音楽」と「笑い」は世界の共通言語ではないでしょうか。
 
 
 
大学院教育改革支援プログラム 関西大学EU―日本学教育研究プログラム