Program for EU-Japanology Education and Research(PEJER)
メンバー紹介
 
研究紹介
 
  もとはフランス語フランス文学専修に所属して、おもに十九世紀(とくに王政復古から七月王政期)の小説作品の研究をしていました。研究対象が文学作品から時代の文化やそれを背後から支えている文化イデオロギーへと広がり、文化共生学専修が新設されるとともに移籍、現在は文学研究と並行してフランスを中心とするEUの文化接触の問題に取り組んでいます。講義でとりあげる十九世紀後半の日欧文化交渉や万博における文化政策などもその一部です。著書として、文学の領域では『スタンダール変幻――作品と時代を読む』(慶應義塾大学出版会)、文化の領域では『ヨーロッパの祭りたち』『色彩の魔力』(明石書店、いずれも共著)などがあります。
 
 
 
講義内容
 
 十九世紀後半になって本格的に開始されたフランスでの日本研究のありようを、いくつかの視点から検討します。具体的には、レオン・ド・ローニー、ジャポニスム、パリ万博、紹介された日本の伝統芸能や演劇、収集されたコレクションなどを交差させることによって、日本文化受容の背後に仄見える当時の文化政策を解読する予定です。時間が許せば、一世紀前の日本ブームと現在の日本ブームを比較し、両者の根底にあるものは何かを一緒に考えたいと思います。
 
 
 
メッセージ
 
  いま日本文化はさまざまな形で世界に浸透しています。ヨーロッパの日本学を知るには、こんにちの文化状況をつねに念頭に置いておく必要があります。その意味で、アニメやオタク文化といった、ヨーロッパでもとくに若い世代の人気を集めている新しい日本文化の動向にもつねに目を配り、語学学習を兼ねて現地の報道記事等を追ってほしいと思います。そしてみなさんの新しい視点からその背景にあるものを探りあてるべく、思考をめぐらせてください。
  
 
 
 
大学院教育改革支援プログラム 関西大学EU―日本学教育研究プログラム