Program for EU-Japanology Education and Research(PEJER)
メンバー紹介
 
研究紹介
 
 専門は言語学で、フランス語を中心に、ことばのしくみについて研究しています。会話でも文章でも、単語が文となり、文がつらなってことばのながれができ、ひとつの「ものいいdiscourse」が構築されます。そこでは、それを構成する多様な要素がはたらきあっていますが、それらの要素、単語や文の形式が、どのようにそれに貢献/を阻害しているのかをかんがえるのが関心の中心です。われわれの「ものいい」には、誇張や比喩、同語反復や矛盾など、ひととおりの解釈ではまにあわないさまざまな表現がありますが、それらが適切に発話されるのは、ことばのどういうしくみによるのかということを解明したいとおもっています。
 
 
 
講義内容
 
 われわれの思想は言語に媒介され、それは具体的には上記の「ものいい」のかたちで実現します。EU世界とわれわれでは、母語とする言語がちがいますから、それによって構築される「ものいい」もおなじではありません。こうした問題について、われわれになじみのある歴史表象や現代文化にテーマをもとめて、その具体的なちがいにふれ、そのちがいを克服したコミュニケーションの実現をめざすことができるような練習ができればとかんがえています。
 
 
 
メッセージ
 
 英語はいまや世界にひろがる言語です。このことを、ひとつの言語文化が世界を一元的に支配するととらえるのではなく、ひとつの言語文化が、それぞれの地域文化で多様なかたちをとって実現しつつあるのだと理解してみてはどうでしょうか。われわれがめざすべきは、アメリカ人やイギリス人の英語発信力ではなく、われわれの地域文化をベースとする一変種としての英語(日本の英語)をどのように発信可能なかたちに完成するのかということかもしれません。
 
 
 
大学院教育改革支援プログラム 関西大学EU―日本学教育研究プログラム