オータムセミナー2012

オータムセミナー工場見学について 

システム理工学部 電気電子情報工学科 2回生 田谷真紘

工場という言葉から想像される騒々しさに反して敷地内部はとても静かだった。建物の外には変圧器が並べられていて、前日に降った雨水を受けていた。柱の上に何年も設置される機器であるから、いくらか雨を受けたところでどうということはないのだろう。製品の頑丈さを感じた気分だった。最初の工場見学先は株式会社ダイヘン十三事業所で、この後、私たちは工場の内部を案内して頂けることになっていた。

工場の扉をくぐると一気に騒がしくなった。ヘルメットとイヤホンを手渡された私たちは、広い工場を忙しく見て回った。変圧器と液晶運搬用ロボットを主な製品だと紹介してくださり、見学もそこが中心だった。変圧器で気に留まったのは鉄心の製造部分で、一つ一つ計測を行っているのだと紹介があった。気になって伺ってみると、即席のコイルを鉄心に被せ、基準を満たすかどうか調べているのだと仰っていた。計測行程や運搬は半自動化されていて、機械工学科の見学者はそちらの方に興味を示したようだった。

液晶の運搬には熱・気圧に対する耐性・粉塵を出さないような設計と液晶を傷つけないような精度が必要なのだそうだ。液晶運搬用ロボットの行程では、テスト行程に進んでいる製品を見せていただいた。可動部のテストを行っている最中で、大がかりな装置と念入りな点検に私は驚いた。見学者の一人が言うには、機械分野では当たり前のことであるらしい。

続いての見学先はキッコーマン食品株式会社高砂工場だった。バスに乗って敷地に降りると、静かな風景とともに大豆の匂いがはっきりと感じられた。この工場を案内していただいた際、工場化される前は手にまで大豆の匂いが付いて、子供に笑われたと仰っていた。

ここでは見学者のための見学施設があり、最近は食育の一環として子供たちが訪れることも多いのだという。大学生の私たちには工場の説明の後、キッコーマンという会社についての紹介もして頂いた。醤油を濾すための布は破れることもあるため最初に覚えるのはミシン仕事であるとか、交代で勤務する都合上ここの男性は皆料理が上手い、であるとか、企業という舞台の裏側を覗いた気分になった。

ちょっとしたお土産を頂いた私たちは、そうして帰りのバスに揺られることとなった。とても密度の濃い工場見学であったと思う。

見学者の感想

11月1日実施

 最初に工場を見学させていただいたのは株式会社ダイヘン十三事業所でした。この会社は変圧器などの電力機器事業、溶接機と溶接ロボットの溶接・メカトロ事業、半導体機器事業を主とした製品としており、十三事業所では電力機器、半導体機器を扱っています。また、有害化学物質の排出量削減や、ポリ塩化ビフェニルという毒性の強い絶縁体を使用しないなどの環境対策を行っています。

 この日最後に見学をさせていただいたのは、キッコーマン食品株式会社高砂工場でした。高砂工場では、醤油の製造工程を映像や展示で紹介していました。もろみの熟成の様子やしょうゆの色・味・香りを体験でき、醤油の醸造について理解を深めることができます。

株式会社ダイヘン十三事業所

キッコーマン食品株式会社 高砂工場