今回の講演では、私が2019年より進めているNYのRDFでのリサーチや関係者へのインタビュー、日本でのフィールドワークを元に、これからの宇宙時代に無重力空間を舞台にして展開する新たな天命反転建築の可能性についてモデル展示と共に提示する。
私はこれまで絵画をベースに次元や空間概念の問題と身体感覚の拡張を探求してきた。その中で宇宙時代を生きる次世代の人類が重力から解放された空間で新たな身体性を獲得する可能性に、荒川+ギンズが目指した「天命反転」のビジョンと重なりあるものを多く見出すことが可能だと考えている。彼らがまだ死んでいないとすれば宇宙で一体どういう天命反転建築を構想したであろうかに想いを馳せて論じてみたい。
略歴:ニューヨーク在住。武蔵野美術大学油絵科卒業。2018年文化庁新進芸術家海外研修制度受賞。2021年Vilcek財団よりグラント獲得。分野横断型な活動を展開する中で、高次元や重力を対象とする芸術運動「Dimensionism」を構想。私たちの知覚や認識を更新することを目指した作品を制作している。