AGxKANSAI 2022 Art and Philosophy in the 22nd Century After ARAKAWA+GINS

会期: 2022年3月11 - 15日 会場: 京都芸術大学(対面+オンライン)

ご挨拶

参加申込

※本会議の参加受け付けは終了しました。

概要

コロナ禍に見舞われた人類は、多くの苦しみ、痛み、不自由を受け入れ、それに耐え、この2021年の終盤に、ようやく失われたものを取り戻すために動き始めたと言えるでしょう。しかし多くの人々は語ります、もう以前と同じ世界には戻らない、新しい生活様式や価値が求められるのだと。現代美術家荒川修作と詩人マドリン・ギンズは、1990年代から、新しい「環境」を提案し、そこで活動する身体の感覚の変化を引き起こすこと、その新しい身体感覚に依拠して、既存の価値観を疑い、本当に生きやすい社会を感じとる人間を生み出すこと、これらを自分たちの活動の目標に掲げました。ポストコロナの時代のあり方を模索するためにも、荒川+ギンズの芸術活動と思想を手がかりにすることには、大きな可能性があると考えられます。

われわれがいかなる存在であり、何に向かっているのか──「自らにとってのパズル・クリーチャーであるわれわれとは、不可解さの訪れなのである」。荒川+ギンズは、こうした問いを様々なかたちで、そして徹底的に深く問いつづけ、次なる世紀の(暫定的ながら)具体的なプランを提示しました。ARAKAWAは、いつも「今すぐやれ!」とわれわれを奮い立たせていたことを思い出しましょう。22世紀はもうすぐであり、今すぐなのです。

このような精神にのっとって、国際カンファレンスAGxKANSAI 2022: Art and Philosophy in the 22nd Century After ARAKAWA+GINSは関西大学東西学術研究所身体論研究班と京都芸術大学により共同開催されます。

関西大学東西学術研究所身体論研究班は、2016年より荒川+ギンズの思想を学際的に研究するプロジェクトを推進してきました。これまでに開催された荒川+ギンズ国際カンファレンス(AG1、パリ第10大学、2005/AG2、ペンシルバニア大学・スロート財団、2008/AG3オンライン、コロンビア大学・グッゲンハイム美術館、2010)で探求された問題やテーマをさらに発展させ、AGxKANSAI 2022は、講演、対談、プレゼンテーション、展示、パフォーマンスを通して、22世紀に向けての/22世紀の芸術と哲学のあり方を探ります。「After ARAKAWA+GINS」は、A+Gの早すぎた逝去のあと(after)もなお、彼らの未来思考のヴィジョンを追いかけ(after)つづける私たちの意志の表明です。

記録映像

池上高志・小林康夫「メタバース──22世紀に架ける橋」


ドン・バード、アラン・プローム、ジョンディ・キーン「別種の知ること」

イントロダクション

※日本語字幕つき

ドン・バード「ラディカルな再秩序化(つまり、すべてについての)──著書『別種の知ること』(仮題)に向けてのノート」

※日本語字幕つき

アラン・プローム「荒川とギンズの作品における手続き的建築とその効能について」

※日本語字幕つき

ジョンディ・キーン「How-to Know-how──生きることの実現に向けて荒川とギンズが課することと問うこと」

※日本語字幕つき


リバーシブル・デスティニー財団「アラカワ+ギンズにおける「未完」について」

※日本語字幕つき


荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所「荒川修作とマドリン・ギンズの"組み立て直し"──アーカイブ研究からの試み」

※英語字幕つき


会場内展示作品バーチャルツアー(英語)

会場内展示作品バーチャルツアー(日本語)


AGxKANSAI 2022 フォトアルバム

プログラム:2022年3月11日 - 15日

事前録音された講演および発表を除き、すべてのセッション(会場およびオンライン)はライブで開催しZoomで中継します。セッションの録画映像は、会期中ウェブサイトから配信される予定です。ウェブサイト上の映像を閲覧するにはカンファレンスへの登録が必要です。

※参加無料、要事前登録
※プログラムに記載されている時間はすべて日本標準時間(JST; GMT+9)です。
※プログラム中、括弧内のEとJは以下を意味します。
 (E)英語のみのセッション
 (J)日本語のみのセッション
 (E/J)英語セッション(日本語逐次通訳つき)
 (J/E)日本語セッション(英語逐次通訳つき)
※プログラムの詳細は予告なく変更することがあります。

第1日3月11日(金)

10:30 - 10:40
10:40 - 12:40
対談(対面)1(J/E)
メタバース──22世紀に架ける橋
池上高志(人工生命/複雑系の科学、東京大学)
小林康夫(哲学、東京大学名誉教授)
(J/E)
14:10 - 15:00
研究発表(対面)1(E) Haruhiko Murakawa, "To Not Die"
Kei Hirakura, "Diagramming Ghosts: The Use of Movements-Images-Words in the Film For Example by Arakawa and Gins"
(E)
15:30 - 16:50
対談(対面)2 (J/E)
『建築する身体』をめぐって
河本英夫(哲学、東洋大学)
三村尚彦(哲学、関西大学)
対面、(J/E)
17:00 - 18:00

第2日3月12日(土)

10:00 - 11:30
ラウンドテーブル(オンライン)(E/J)
アラカワ+ギンズにおける「未完」について
リヴァーシブル・デスティニー財団(キャスリン・デネット、アマラ・マグローリン、ST・ルック、手塚美和子、富井玲子) オンライン、(E/J)
11:35 - 12:50
ラウンドテーブル(対面)(J/E)
荒川修作とマドリン・ギンズの"組み立て直し"──アーカイブ研究からの試み
荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所(松田剛佳、瀬野はるか、川口春佳、本間桃世) 対面、(J/E)
14:30 - 15:40
研究発表2(対面)(E) Masayoshi Someya, "A Long Way to the Reversible Destiny: Some Suggestions from the Ecological Perspective"
Satoshi Inagaki, "Against the Fear of Death: Arakawa's Quest for Immortality and Benatar’s Anti-Natalism"
Hiroki Komuro, "'New Sensory Gravity' and the Mechanism of Losing Balance"
対面、(E)
16:10 - 17:10
講演(オンライン)2(E/J)
いまここのバイオトポロジー的職人技
レンスケ・マリア・ファン・ダム(建築家) (E/J)
17:15 - 18:00
講演(対面)1(J/E)
ボトムレスI 再制作
小野暁彦(建築、京都芸術大学)
西川恭史(Hot Metal Soup)
(J/E)

第3日3月13日(日)

10:00 - 10:50
事前録画発表者の質疑応答セッション1(オンライン)(E) Ignacio Adriasola, "'Of No Use to Me…': On Desire and Negation in a Diagram"
Russell Hughes, "Puzzle Features: The DAO of A/G"
Kumon Tokumaru, "Beyond the Restrictions of Spinal Sign Reflex for Human Intelligence"
オンライン、(E)
11:00 - 12:00
講演(対面)2(J/E)
無重力でひらく天命反転
野村康生(アーティスト) (J/E)
14:00 - 15:30
事前録画つきラウンドテーブル(E/J)
別種の知ること
ドン・バード「ラディカルな再秩序化(つまり、すべてについての)──著書『別種の知ること』(仮題)に向けてのノート」
アラン・プローム「荒川とギンズの作品における手続き的建築とその効能について」
ジョンディ・キーン「How-to Know-how──生きることの実現に向けて荒川とギンズが課することと問うこと」
事前録画+オンライン、(E/J)
17:00 - 17:40
事前録画発表のQ&Aセッション2(E) Adi Louria Hayon, "Muddy Minds: On Arakawa and Smithson’s Probable Perceptions"
Jiajia Qi, "No Where, Now Here"
オンライン、(E)

第4日3月14日(月)

10:00 - 12:00
13:00 - 14:50
研究発表(対面)と事前録画発表のQ&Aセッション (J) 関谷喬「三島由紀夫から荒川修作へ、そして荒川修作から三島由紀夫へ」(対面発表)
立石朝顕「DIYとしてのコーデノロジスト(様々な「手続き的建築」事例と、皆さんへの手続き実践のお願い)」(対面発表)
倉垣卓麿「The Mechanism of Not to Die」(録画発表)
伊藤知宏「現代アメリカでの荒川修作の絵と僕の絵──僕の制作した荒川作品へのオマジュー作品を中心に」(録画発表)
(J)
15:00 - 16:00
研究発表(対面)1&2のQ&Aセッション(E) 村川治彦、平倉圭、稲垣諭、染谷昌義、小室弘毅 (E)
17:00 - 17:50
事前録画発表のQ&Aセッション3(E) Rafael Ortiz Martínez de Carnero "Towards an Active Space Experience: The Architecture of Arakawa and Gins as an alternative to our Contemporary Spatial Experience"
Anouk Hoogendoorn, Matisse Apsimon-Megens and Benjamin Muñoz, "RollingUnrolling: Landing Sites as Propositions for Digital Collective Spaces"
Ellen Vanderstraeten, "Whisper me Singing"
オンライン、(E)

第5日3月15日(火)

10:00 - 12:00
ワークショップ(対面)2(J/E)
建築する身体になること
木田真理子(ダンサー・人類学、芸術文化観光専門職大学) (J/E)
14:00 - 15:00
最終討論 (E/J) 対面+オンライン、(E/J)

本カンファレンスについて

Arakawa and Madeline Gins in the 22nd Century: The Body and the Experience in the Reversible Destiny Mode
『22世紀の荒川修作とマドリン・ギンズ──天命反転する経験と身体』

AGxKANSAI 2022は、関西大学東西学術研究所身体論研究班(Studies of the Architectural Body Research Group: SABRG)と京都芸術大学環境デザイン学科によって共同開催されます。開催にあたっては、京都芸術大学大学院環境デザイン領域、京都芸術大学舞台芸術学科、荒川+ギンズ東京事務所、Reversible Destiny Foundationの協力を得ました。三村尚彦(関西大学)が率いるSABRGは、2016年以来、荒川+ギンズについての学際的な研究を促進し、共著『22世紀の荒川修作とマドリン・ギンズ──天命反転する経験と身体』(三村尚彦、門林岳史共編、フィルムアート社、2019)をはじめ、荒川+ギンズについて多数の論考を発表してきました。

Arakawa and Madeline Gins in the 22nd Century: The Body and the Experience in the Reversible Destiny Mode
『22世紀の荒川修作とマドリン・ギンズ──天命反転する経験と身体』

お問い合わせ

関西大学東西学術研究所内 身体論研究班
〒564-8680 大阪府吹田市山手町3-3-35
問い合わせ先:agx.kansai2022[at]gmail.com

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