荒川+ギンズは、天命反転建築に使用法をつけている。建築だけでは天命反転はなしえないと考えるからである。つまり、建築と使用法と生身の人間のセットによって、私たちは天命反転に一歩近づきうるのである。その際、使用法をいかに実践するかが問題となる。本ワークショップでは、使用法の使用の仕方について体験的に考えていく。たとえば、養老天命反転地の使用法にある「中に入ってバランスを失うような気がしたら、自分の名前を叫んでみること。」を本当に実践した人はどれくらいいるだろうか。「バランスを失う」や「叫ぶ」という身体的行為を実践するには、相応の身体運用が必要となる。あるいは三鷹天命反転住宅の使用法にある「月ごとにいろいろな動物(たとえば、ヘビ、シカ、カメ、ゾウ、キリン、ペンギンなど)のふりをして、住戸内を動きまわりましょう。」はどうだろうか。本ワークショップでは、身体運用や身体感覚に焦点を当てて使用法の使用の仕方を体験する。
※参加者は携帯型音楽プレーヤー等をお持ちください。
略歴:関西大学人間健康学部准教授並びに関西大学東西学術研究所身体論研究班研究員。 専門はホリスティック教育学、ソマティック教育学。近年はヨーガやマインドフルネス等瞑想研究をしながら、それらの指導やワークショップのファシリテーターをするなど実践的な活動も行っている。荒川+ギンズに関しても、実践と研究の両面からアプローチをしている。