KansaiUnivercity Program for EU-Japanology Education and Research(PEJER)

TV会議シンポジウム

「TV会議シンポジウム」実施報告

2011年7月8日(金)~9日(土)、関西大学大学院文学研究科副専攻「EU-日本学」では、「TV会議シンポジウム」を開催しました。

TV会議は、2009年度から本副専攻開講の「日本学学術コミュニケーション・トレーニング」科目の一環としてドイツのデュッセルドルフ大学「現代日本学講座」との間で進めてきたものです。昨年度には、10月に開催した「第3回KUワークショップ」において初めて「TV会議セッション」が設けられました。今年度の「TV会議シンポジウム」は、そうした交流と経験の積み重ねの上に、2日にわたり実施した新たな取り組みです。

「TV会議シンポジウム」は、これまで同様、関西大学ITセンターの全面的な協力を得て、ITセンター4階の多目的会議室にて実施しました。

第1日目の7月8日(金)には、下記のタイトルでデュッセルドルフ大学から2本、関西大学から1本のグループ発表がありました。

 「日本人コミュニティーとデュッセルドルフのギムナジウムにおける日本語授業」

 「日本とドイツにおける難民の状況」(以上、デュッセルドルフ大学)

 「在日コリアン高齢者の年金問題」(関西大学)

第2日目の7月9日(土)には、下記のタイトルでデュッセルドルフ大学から2本のグループ発表、関西大学から3本のグループ発表、およびデュッセルドルフ大学の発表に対するコメントも行いました。

 「映画に描かれた在日コリアン」(デュッセルドルフ大学)

 「『映画に描かれた在日コリアン』についてのコメント」(関西大学)

 「日本の言語教育における文化教育の重要性―“文化教育”という概念に対する意識の低さ―」(関西大学)

 「戦争の記憶についての日独比較」(デュッセルドルフ大学)

 「日本のナショナリズムの根底にあった『国体』― 第二次世界大戦時の朝鮮における教育―」(関西大学)

「TV会議シンポジウム」の開催に至るまで、デュッセルドルフ大学とは、自己紹介のセッション、中間発表の2度にわたっていわば準備のためのTV会議を実施し、テーマの調整などを行い、本番に臨みました。関西大学側では、その後、夜遅くまでグループごとに協議を重ね、当日の発表が準備されました。その効果が現れたのか、シンポジウム終了後、デュッセルドルフ大学の堀江寛幸氏から、関西大学の発表が大変わかりやすく、有意義な機会になったとの講評がありました。

今回の「TV会議シンポジウム」で取り上げられたテーマは、現代社会と密接に関わる問題であり、関西大学の大学院生にとっては、主専攻で議論する機会の少ないものです。また、堀江氏も指摘されるように、日本人による生きた日本語による専門領域に関する発表を聴くことは、デュッセルドルフ大学の学生にとって日本語学習のよい動機づけになるものです。今回、初めて試みられた「TV会議シンポジウム」は、関西大学、デュッセルドルフ大学双方に有意義な刺激を与え、成功裏に終了しました。今回のTV会議の発表をまとめた論文集が、デュッセルドルフ大学側で発行される予定になっています。

7月8日(金)デュッセルドルフ大学会場での発表の様子
7月8日(金)デュッセルドルフ大学会場での発表の様子
7月8日(金)関西大学会場でのディスカッションの様子
7月8日(金)関西大学会場でのディスカッションの様子
7月9日(土)関西大学会場での発表の様子①
7月9日(土)関西大学会場での発表の様子①
7月9日(土)関西大学会場での発表の様子②
7月9日(土)関西大学会場での発表の様子②
デュッセルドルフ大学会場の様子
デュッセルドルフ大学会場の様子
関西大学会場の様子>
関西大学会場の様子
デュッセルドルフ大学側から見たTV会議シンポジウムの様子
デュッセルドルフ大学側から見たTV会議シンポジウムの様子