関西大学・分離研では、田中俊輔教授と7名の大学院生、9名の学部4年生のメンバーで、ゼオライト、多孔性金属錯体(MOF)、メソポーラスカーボンなどを利用したガス透過・分離、水処理、吸着、膜型反応器、蓄電デバイスに関する研究に取り組んでいます。
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shun_tnk@kansai-u.ac.jp
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1.規則性ナノ多孔体の合成プロセスの開発

ゼオライトや多孔性金属錯体(MOF/PCP)、メソポーラスカーボンをはじめとする多孔性材料の規則的に配列したナノサイズの空間は、精緻に設計可能な分離場、貯蔵場、反応場、集積場として期待されています。その機能を工業的に応用するためには、精密な構造設計に加えて、人や環境に配慮した経済的・合理的な製造技術を体系化していくことが重要です。 当研究室では、レゴブロック組み立ての遊びのコンセプトに倣いながら、より簡便に低コストで規則性ナノ多孔体を合成するプロセスを開発しています。
● Microporous and Mesoporous Materials, 278 (2019) 219224.
● Polyhedron, 158 (2019) 290–295.
● Crystal Growth & Design, 18 (2018) 274–279.
1.規則性ナノ多孔体の合成プロセスの開発

2.ナノ構造、形態制御技術の開発

材料本来の機能を十分に発現させるためには、用途に応じて材料の構造と形態を任意に制御する必要があります。当研究室では、シリカやゼオライトのような無機材料の鋳型ではなく、 自己組織的に形成する界面活性剤の分子集合体を鋳型として、ナノ構造とマクロな形態の両方を直接制御できる鋳型炭素化法を提案実証し、メソポーラスカーボンを合成しています。
● Langmuir, 34 (2018) 7028–7033.
● ACS Omega, 2 (2017) 6437–6445. 
● Dalton Transactions, 42 (2013) 11128–11135.
2.ナノ構造、形態制御技術の開発

3.膜分離、吸着、触媒反応への応用

膜分離は連続分離が可能な省エネルギー分離法です。当研究室では、分子ふるいや選択吸着の効果を有する多孔性金属錯体(MOF/PCP)やカーボンなどを製膜し、 ガス分離や液体混合物の浸透気化分離、ナノろ過、膜型反応器に応用する研究を行っています。化学工業でもっとも重要な分離工程のエネルギーを削減することを目指しています。
● Journal of Membrane Science, 544 (2017) 306–311.
● Journal of Physical Chemistry C, 119 (2015) 28430–28439.
● Journal of Membrane Science, 472 (2014) 29–38.
3.膜分離、吸着、触媒反応への応用

4.自己組織化現象、非平衡・非線形現象を利用した材料調製

自然界の物理現象には、自発的に秩序が形成される現象が数多く存在します。 これは、それらの系では物質やエネルギーの流出入が絶えず行われ、平衡・線形から離れた非平衡開放系になっているからに他なりません。工業プロセスの多くは定常状態で操作するため、平衡の制約下で設計・操作されますが、より高度な機能を多様な自然現象から学び、取り入れるには、非平衡・非線形へと拡張させなければなりません。当研究室では、非平衡開放系において見出される特徴的な時空間構造を化学プロセス、材料作製プロセスに応用する研究を行っています。