沿革

関西大学哲学会は、1950年代に発足して以来、60年以上にわたる活動を続けてきました。哲学会の歩みは、哲学科(旧)とともにあります。旧制法文学部の一学科として、1928(昭和3)年に設立された哲学科の歴史は、文学部の中でも屈指の伝統を誇ります。1970(昭和45)年に、哲学専修・倫理学宗教学専修・美学美術史専修の三コース制が敷かれた哲学科では、三つの隣接分野が緊密に連携する研究教育システムをとってきました。2000年代に入ってからの文学部の組織改編(多学科制から一学科多専修制への変更)に伴い、現在、哲学科時代の三専修は、形の上では哲学倫理学専修、比較宗教学専修、芸術学美術史専修としてたがいに独立していますが、旧哲学科時代からの連携を現在も維持しています。そういう関係を代表する組織が、関西大学哲学会です。  関西大学哲学会は、その名称が物語るとおり、関西大学文学部の学内学会として関西大学で「哲学」を研究する教員・学生及び卒業生の集う「学会」として組織運営されてきました。その目的は、「哲学、倫理学、宗教学、美学および美術史に関する研究・教育の補助機関として、会員相互の研鑽並びに人間的交流をはかる」(会則第二条)ことにあり、学部学生や卒業生が会員の相当数を占めることが特徴でした。そうした目的に沿って、学会活動(中心は、春秋2回の大会開催と会誌『哲学』の発行)が営まれてきました。その歩みの中で、二度、大きな見直しが行われています。  第1回の見直しは、2011年。それまで不定期に出されていた『哲学』の年1回刊行、論文審査に関するレフェリー制の導入、学部学生の参画するシンポジウムの開催(秋季大会)、が主な改革の内容です。第2回の変更は、2016年度末で文学部が学内学会制度を廃止したことに伴うものです。文学部の方針変更に関して、三専修の教員が協議した結果、関西大学哲学会を独立した学会として存続させることになりました。ついては、2016年度末に全会員に、会員として存続するか否かの意思確認を行い、存続を選んだ会員による哲学会を、2017年4月から新たにスタートさせることになりました。 この組織改革に伴って、哲学会の組織と運営や活動も、従来のやり方を改める必要が出てきました。紙媒体による会誌の発行・配布を必要最小限にとどめ、電子ジャーナルに移行する点は特に重要な変更点です。そのほか、「関西大学哲学会」のウェブ・サイトを開設したことも、時代に即応した変革の一つです。ホームページでは、新しくスタートした哲学会の活動を折々にお知らせします。