研究体制
データサイエンス研究センターでは次の4つの研究を推進します。
(1)消費者行動モデルの深化とビジネスモデルの構築
(2)環境負荷低減と企業価値向上を両立するサスティナブルマネジメントにおけるモデリング
(3)アカウンティング・システムにおける複雑な利害関係構造の解明
(4)これらの領域で用いる多次元・時系列モデルの開発と適用
これらの研究を実現するため、本学におけるマーケティング領域でのビッグデータ解析技術および実践の経験を基盤に、多様なビジネス分野における技術導入、産学連携による実証を行う体制を構築し、国内外の優れた研究機関と連携のもとでNOE(Network Of Excellence)の中核組織を指向します。具体的には、次の3つの研究戦略上の特徴を持った研究体制で進めていきます。
① 文理融合型NOEの構築
国内の優れた研究機関と連携しビッグデータ解析の研究・応用拠点を構築し、3つの応用領域ならびにモデリング・解析を担当する技術領域の専門家で構成される、以下に示す計4チームで実施します。
流通・経営チーム
・ 消費財流通分野の現場における人や組織の行動、環境変化が記録された時系列データを統合し、産学連携の中でそのモデルの有用性を検証します。
・ 消費者の購買行動に関するあらゆるデータの収集・管理方法とそのモデル化、産学連携の共同研究体制の構築を行います。
サスティナブル・マネジメントチーム
・ ビジネス情報と環境負荷情報を統合する知識体系化、環境負荷軽減と企業価値向上の多目的最適化を目指した理論モデルの提案ならびにアルゴリズムの開発・実装を行います。
・ ものづくりにおける環境マネジメントと企業価値向上の両立に向けた理論モデルの提案とその検証を行います。
アカウンティング・ファイナンスチーム
・ 国内外に蓄積される長時間・多次元の会計・金融情報を基礎に経営者と株主の間の利害関係を明らかにし、新しい理論構築と実証分析を行います。
・ データサイエンス分野における多次元・時系列解析の先端手法を適用し、実証研究を行います。
情報技術・モデリングチーム
・ ビジネス分野における多様なビッグデータに対して、先端の多次元・時系列モデルを適用し、モデル改善・実証を行い、実用化にも利用可能なクラウドベースのASPシステムを構築します。
・ 各専門分野で実施される産学連携をもとに当該システムの開発、改善、普及を図ります。
これらの研究をもとに、開発された多次元・時系列の解析技術を他分野に応用します。例えば、震災やテロなどの危機的状況へのマネジメント分野(クライシスマネジメント)に対して、応用可能性を検討します。
② 強みを生かした国際連携
研究組織内のコミュニケーションを活性化するため、定期的な内部会合に加えて国際ワークショップや国際会議を主催します。また欧米を中心とした世界のトップレベルの研究拠点と連携し、消費者行動モデルの研究領域で国際的な研究拠点を形成します。
③ 産学連携を通したフィードバックループ
国内企業との産学連携のもとで提案モデルの実証研究を行う実践的な仕組みを構築します。データサイエンス研究センターでは、上記の産学連携によって開発された理論モデルを現実社会に迅速に導入し、その有効性を検証するフィードバックループを構築します。
外部評価委員会を設置し、客観的な評価を研究運営に反映させる仕組みも取り入れます。